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不動産を査定する際、現地にて室内(リフォーム状況や設備関係等)や共用部分、周辺環境等を確認・調査した上で、過去の取引事例などを参考にしながら、物件の売れやすさを示す「流通性比率」を掛け合わせてより詳細な売却価格を算出していきます。
この流通性比率とは、その物件の「売りやすい」、「売りにくい」を数値化したものです。
1が基準値で、下は0.85から上は1.1までの数値を査定価格に掛け合わせます。
1未満は売りにくく、1より上は売りやすいとう示し方になります。
流通性比率の高い物件とは、希少価値の高くメリットを有した物件です。
(例)
・新築販売時、抽選の倍率が高かった物件
・高層マンションの最上階や角部屋などの一棟のマンションの中でも数の少ない物件
・今までなかなか市場に売りに出る機会がなかった物件
・現在、近隣に競合する物件が少ない
・リフォームやフルリノベーションが施されている物件
・日当たりが良い
などがそれ当てはまります。
一方、流通比率の低い物件とは、希少価値が低くデメリットを有した物件です。
(例)
・事故物件
・日当たりが悪い
・近隣の騒音等
・経過年数に応じたリフォームなどが施されていない
・一年中売り物件が絶えないマンション
・戸数の多い一棟のマンションの中でも、一番ポピュラーな間取りのお部屋
などがそれに当てはまります。
流通性比率が低い、つまり売れにくい物件だと判断せざるを得ない場合には、売却予想価格を下げることを検討する必要もございます。
また、現在近隣で販売中の競合物件がある場合などは、売出価格にも注意を払う必要がございます。
競合物件よりも価格を下げること自体が、希少価値を上げることにつながり、流通性比率が上がり、結果的に売れやすくなるというわけです。