不動産一括査定サイトについて

その仕組みとメリット・デメリット

メリット

・簡単に自分の家の価値がわかる

一度の簡単な個人情報等の入力で、査定価格が受け取れます。

 

・価格の比較ができる

複数社110社)からの査定価格を比較することができます。

 

・無料

 

デメリット

・電話ラッシュや無断訪問などのトラブル

査定依頼をしたユーザーは無料だが、その査定をする不動産会社は有料で請け負っているため、複数社から一斉に過剰な営業を受けるなどのトラブルに発展する機会が年々増えています。

 

・査定結果は相場より高い価格が提示

一括査定では、不動産会社が媒介獲得に競い合うために、本来の相場価格より高い価格を提示して、売主の気を引く傾向にあります。相場よりも高すぎる価格で売りに出してしますと、一番成約率が高い売出直後の貴重な時期を逃してしまい、その後価格の下方修正を続けても売れず、結果相場価格を割り込まなければいけないケースもあります。

 

・個人情報の転売や不正利用のリスク

 

個人情報が、複数の不動産会社の大勢の営業スタッフに一斉に渡ってしまいます。その情報はスマホでも簡単に確認ができるため、正直個人情報の管理が難しく、転売や不正利用のリスクがあります。


不動産一括査定サイトとは

不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報(所在地、種別、広さ、築年数等々)と個人情報を一度入力するだけで、サイトの運営会社が提携している複数の不動産会社に査定申込ができるサービスのことです。 個別に電話やメールなどで査定の申し込みをしたり、わざわざ店舗まで足を運んで査定の申し込みをしたりする必要がないので、簡単で利便性が高いポータルサイトです。


不動産一括査定サイト(運営会社)の一覧

不動産会社ではなく大半がIT系企業です

SUUMO売却査定(リクルート)

Home4UNTTデータ・スマートソーシング)

・マンションナビ(マンションリサーチ)

・イエウール(Speee

・ライフルホームズ(LIFULL

・おうちクラベル(SREホールディングス)

・リビンマッチ(リビン・テクノロジーズ)

・いえカツLIFE(サムライ・アドウェイズ)

・ズバッと不動産売却(ウェブクルー)

HowMa(コラビット)

Reguid(ウェイブダッシュ)

まだまだ他にもあります


不動産一括査定サイトの仕組み

①サイトを制作して、不動産の査定をして欲しい人をで集客する

      ↓

②そのサイトで得た個人情報等を、1情報を1~2万円で不動産会社に売って収益を得る

 

・顧客は査定の依頼主ではなく、その個人情報を購入する不動産会社

 

また、その中でも大手不動産会社を顧客にすることでサイトにとっての絶大な宣伝効果になる


不動産会社が利益を得るための道のり

実施に査定を行う不動産会社が利益を手にするまでの遠い道のりは以下の通りです

 

①不動産一括査定サイトから査定依頼に関する個人情報等を購入する

      ↓

②査定依頼者に連絡する → 連絡がつかなければここで終わり

      ↓

③依頼のあった不動産の査定をする

      ↓

④売主と売却についての商談をする → 断られればここで終わり

      ↓

⑤売主と媒介契約を結ぶ

      ↓

⑥販売活動を開始する

      ↓

⑦購入希望者を案内

      ↓

⑧購入希望者と商談 → 断られればまた新たな購入希望者を探す

      ↓

⑨購入希望者との売買契約をセッティングする

(重要事項説明書や売買契約書など契約に関する書類の作成、ローンの事前審査の準備等々)

      ↓

⑩物件の引き渡し(決済)の準備をする

(売主の登記を移転する準備、買主のローンの申し込み等々)

      ↓

⑪物件の引き渡し(決済)をする

      ↓

仲介手数料を受け取る

不動産会社はこの長い道のりを経てはじめて利益を得ることができます

 


不動産一括査定サイトの運営会社の問題点

①査定依頼を受けた不動産が売れようが売れなかろうが、また実際に売りに出す予定がなかったとしてもそこに利害関係はない。

 

査定依頼が増えることで収益が上がる。

 

現在では、一括査定サイトの業界も参画会社が増えすぎて飽和状態が続き、査定依頼者の獲得が難しくなっています。

そのため、競争が激しくなり「売却予定の有無」に関わらず、煽り文句を多用してでも査定依頼へと誘導する傾向が強まってきています。

なお、個人情報等の第三者利用等に関しては、サイトの利用規約等であらかじめ示されており、依頼者が承諾した形で情報を送信しているので違法性はありません。

また、査定の依頼者と不動産会社との間で起こりうる現場ベースでのトラブルの責任を負う必要もありません。


三者の目的のズレ

①不動産一括査定サイト

集客が増えれば収益が上がるので、売却の予定のない方を煽ってでも査定依頼を増やしたい。

 

②査定依頼者

サイトの広告を見て「実際に売却する予定がなくても無料で査定がしてもらえるサービス」だと認識して査定依頼をする。

 

③不動産会社

売却を任せて欲しい。

お金を払って購入した案件自体が、はじめから売却する予定がない案件だったとすれば、不動産会社にとっては当然面白くありません。経費と時間の無駄遣いになってしまいます。

この三者の目的や認識のずれがトラブルを生む原因です。

一般的に不動産会社では、このような不動産一括査定サイト数社と契約をし、月に数十万単位の経費を支出します。

例えば10件の査定依頼が来たとしても、その内の半分くらいは連絡がつきません。また、連絡はついてもはじめから売却の予定がない方が大半です。実際に売却を予定している方は12件あれば良い方です。しかも、その12件の案件を10社前後の不動産会社で取り合うわけですから、このあたりの経緯をご理解いただければ、不動産会社の営業担当がかなり熱心にアプローチしてくる気持ちも少しはおわかりいただけるかと思います。

また、不動産会社が媒介獲得に競い合うために、本来の査定価格より吊り上がってしまう傾向にあります。そのまま進めてしまうと売出価格が高すぎるため売れません。そして、一定期間時間が経過したころを見計らって、売主に説明して価格の下方修正をしてもらうという流れになってきております。時間に余裕のある売却ならまだよいのですが、買い替えなど時間の制限がある場合などは向いてないのかもしれません。

この問題は、査定依頼者や不動産会社が対処することではなく、査定依頼を募るサイト側が改善するべき問題だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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